自己破産活用術と生活の知恵
ディーラーが自分の成績を上げるために1人の顧客にCB、UC、ミリオンと3枚のカードを持たせてしまうから、1枚にならすと稼働率が下がるという事情があった。
97年6月8日、TはTカード発行200万枚突破の感謝広告を大手新聞に掲載して注目を浴びた。
一つのカードが短期間に200万の会員を獲得したのはやはり画期的なことだ。
1時ほどの伸びはなくなったが、それでも発行枚数はコンスタントに増えつづけている.Tは、スタート前に1年間で100万、3年間で300万会員を獲得すると宣言していたが、98年度内にも300万枚に届く可能性がある。
そのうちのNOO0万台がT車です。
シェアからいうとだいたい30%くらいですが、現在のカード会員が200万人ということは、T車に乗っている人の10人に1人はTカードを持っていることになります。
目標の380万人というのはそれほど難しい数字ではありません.しかし、300万人でもう十分というふうには全く考えていません。
まだまだ頑張って取っていかねばならないと考えています」すでに237万人の会員を獲得し、今後は300万人の目標に向かって進んでいる。
その囲い込みの効果も徐々にではあるが、出つつあるようだ。
「このカードのいいところは目的意識の高い顧客が取れることです.Hとか日雇などがカードを出していますが、他社とのバッティングはないでしょう。
TにはTのファンが入っており、HにはHのファンが入っているからです」ちなみに、現在のカードの発行枚数はHが97年末で56万枚、Nが98年1月末で139万枚(内訳は旧カード129万枚、新カード10万枚)、Dが97年末で11万枚、Mが98年FUPカードにおける先行者メリットは話題性も含めて大きなものがあったといえるが、Tの社内からは、「今度こそ、カード事業で行くべきだ」との声も強まりつつあるという。
Tカードの躍進とライバル各社の動きく自動車メーカー11社の97年3月期決算によると、円安が追い風となってほとんどの会社が増収増益になったが、国内販売だけを見るとFUPカードを積極的に推進したT、H、Dが業績を伸ばし、カード事業に消極的だったN、M自動車、Mがそれぞれ伸び悩む結果となっている。
偶然かもしれないが、カード戦略が明暗を分けたといってもいいだろう。
Tでは、「ファンづくりに貢献しましたから、顧客囲い込みではとりあえず成功」と判断している。
顧客をつなぎとめるツールとしてTカードの役割は大きく、H「オデッセイ」に取られた顧客をかなり取り戻したとの考えである。
何といっても総発行枚数237万枚は圧倒的だ。
Tは他社を引き離してのダントツの1位である。
こうした数字が取れるのも、T販売網が充実しているからで今回のメーカー系カード発行競争ではからずもその「強さ」を証明することになった。
また、販売力だけでなく、キャッシュバック特典の魅力が支持された点も見逃せない。
「新車に買い換えるか、車検に出して、まだしばらく乗ろうかと迷っている人を引きつける」(ディーラト)効果が、「キャッシュバック」にはあることが明らかになった。
Tカード総利用件数のうち、T車両販売、レンタリース、部品共販での利用は11%、金額的に見ると、全体の20%がT系列での利用であった。
一般加盟店では1万00000円となっており、T系列店での利用を中心にカードが使われている。
会員の1割がT車以外のクルマに乗っているという点も注目である。
この人たちが、いずれT車に乗り換える可能性があり、その意味では、他社シェア切り崩しの武器にもなりうる。
Tはシェア40%を奪還する「切り札」として、このカードを位置づけている。
T方、HやDの動きはどうか。
Hは、Tに続いて「HCカード」で素早い立ち上がりを見せたために、熱烈なHフアンの囲い込みにほぼ成功した。
また、カード部門を関係会社のファイナンスから独立させて本社に移し、本格的に取り組んだのもよかった。
特に家族会員を初年度のみ年会費無料で加入できるようにしたのが支持されたという。
そのために家族での加入が割合としては多い。
また、Dも女性層をターゲットに絞り込んだ「ニッチ戦略」で着実に会員数を伸ばしている。
クルマの整備歴などを書き込めるため、たとえ引っ越しをしても、全国どこのNの工場に持ち込んでも整備できることを売りものにしていた。
同社とすれば、このカードでTカードに十分に対抗できると考えていたが、トヨタの銀行を巻き込んでの攻勢はすさまじく、業界第2位のシェアを切り崩されそうになった。
そこで急速、96年4月からJCB、S、UCの提携カードでのキャッシュバック制度を導入し、顧客流出防止に乗り出した。
しかし、それまでハウスカード中心の拡販を行ってきたために、提携カードになっても営業体制を十分に切り換えることができず、苦戦をしている。
また、M自動車は、90年代前半ごろからブームに火がついた「パジェロ」で先行したために、カード事業にはほとんど関心を示さなかった。
しかし、このところの業績悪化でようやく重い腰を上げ始めた。
同社は98年3月1日からAと組み、提携カードこそ発行はしないものの、Aカードのポイントをためると新車購入時に最高30万円のキャッシュバック特典が得られるキャンペーンをスタートさせている。
これで大手自動車メーカーのうち6杜が30万円のキャッシュバック特典という同様のサービスをそろえ、横並びとなった。
ところで、勢いにのるTカードだが、その快進撃ぶりの実態を懸念する声もある。
それは各ディーラーが発行枚数を競うあまりに、JCB、UC、ミリオンの3枚のカードを1人の顧客に持たせるということを広く行ったため、スリーピングカードの割合が増えているという指摘だ。
顧客が3枚のカードすべてを上手に使うことはありえないから、当然、カードの稼働率は低くなる。
JCBなど3社は自社のカードを売り込むため、「入会するとギフトカードプレゼント」といったキャンペーンをかけた。
特にUC、ミリオンはかなりの投資をして拡販に精を出していたそうなると、Tカードの実際の会員数は200万人の3分の1から2分のlせいぜい100万人ということも考えられる.このダブリをきちんとチェッ
クしておかないと、マーケティング戦略を誤ることにもなりかねない。
実際、スーパーのレジ担当者に話を聞くと、出光カードやNイ−ナカード、S]カードといったガソリンカードはよく目にするが、200万枚以上も発行されているはずのTカードはほとんど見かけないということだった。
Nの販売促進部長から電話をもらったのは95年8月初旬のことだった。
暑い盛りで、私は仕事場で雑誌の締切りに追われていた。
その部長は「ぶしっけだが」と、断りながら、すぐに用件を切り出した。
「実はわが社でもクレジットカードを発行しようと考えていますが、どんなものをつくつたらいいか、1度お話をうかがいたい」というものであった。
「石油業界は来年(96年)4月から特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)の廃止を控え自由競争になるので大変な危機感を持っています。
元売り各社はリストラに着手しました。
Sさんは]カードで飛ばしています。
わが社としても何とかしたい。
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